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2006年4月24日 (月)

“未定”  一章  「目覚めた朝に」

夜の闇がルルア島をしずかにつつんでいった。

音もなく広がる夜の侵食は、境目もなく昼を夜にしていく。

ハナはルルア島の中央にそびえたつ神の山ギブル山の中腹あたりの崖に腰をかけ、打ち落とされた戦艦のように落ちていく夕日を見ていた。

ギブル山は聖なる土地とされ、古くからのしきたりで入ってはならない土地とされていた。

けれど、島の恋人の多くは山を登り、そこを密会の場としてつかっている。その事実は島の者なら誰でも知っていることだったが咎める者もおらず(自分たちも使っていたから)それは暗黙のうちに承認されていたのである。

ハナは一人で山を登ることが多い。山にはモンスターもでるが大したことは無いし、ハナはギブル山のふもとの村では一番の剣の達人だった。

ハナはここから見る夕日がとても好きで、稽古を抜け出してはこの場所で夕日をながめ夜になると何も無かったように山を降りていくのだ。

今日はいわし雲の出ている夕焼け空だった。明日は雨かもしれない。と思いながらハナはぼんやりとますます赤みの増していく夕日を見つめていた。

「・・・」

ふとハナは誰かに耳元でささやかれた気がして後ろを振り返った。

誰もいない。森は静かに風と一緒に揺れていた。森の少し上ではもぅ、月が輝いていた。

『そろそろ帰ろうかな・・・』

そう思ってハナが立ち上がった瞬間、茂みがガサガサと揺れたかと思うといきなり狼がハナに飛び掛った。

ふいを突かれたハナは剣を抜く暇も無く、左腕に鋭い痛みを感じた。

左の二の腕あたりに、三本の赤い筋が通った。

「っ・・・」

狼は身軽に着地すると、もぅいちどハナに襲い掛かってきた。

しかし、次の瞬間ハナの剣が鋭く光ったかと思うと狼は腹の辺りから真っ二つに割れ、どさっと地面に落ちた。

ハナはすでに物体になった狼を見下ろして静かに手を合わせた。

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コメント

続きが気になります!!
早く書いて下さい☆

投稿: みお | 2006年4月26日 (水) 22時37分

俺も!

ちなみにハナって女の子やんな?

投稿: TAICHI | 2006年4月26日 (水) 23時23分

ハナは・・・女かなw
破奈って字を書きますw

投稿: TOSHI | 2006年4月29日 (土) 00時41分

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